株式会社寺岡精工様

感熱包装帯(システム)の開発

寺岡精工様の感熱包装帯は2016年度の日本パッケージコンテストで食品包装部門賞を受賞いたしました。

通常、惣菜等のふた付きトレーはテープ・ホッチキスなどで留めていて、内容物の表記は別途ラベルシール等を貼っています。
寺岡精工様の計量包装値付機RGW-400はヒートシールが出来る感熱紙を使って蓋に封をすると同時に内容や値段の印刷も行うことで省コストを実現しました。
しかし、感熱紙は加熱すると発色する特殊な塗工処理をした用紙ですのでその原紙にヒートシール性能を附与する生産過程で感熱紙が発色しない事が開発のポイントでした。
ご担当の山田様にお話を伺いました。

食品包装部門賞の授賞式にて
(株)寺岡精工の山田様
計量包装値付機 RGW-400

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ご担当者
山田様

1981年に当社が世界初の「自動計量包装値付機」を発売して以来、包装と計量と値付けは別作業という常識を覆してスーパーマーケットのバックヤードの生産性を飛躍的に向上させました。
しかし、従来は印刷済みの帯材やテープ・シール等を予め準備して様々な種類の資材在庫を保有する必要がありました。
そこで当社ではヒートシールが可能な感熱紙を日本製紙パピリア(株)と共同で開発、それを包装帯に使用する事で以下の様なメリットを創出しました。

(1) 感熱紙の印刷領域は広いので仮に記載事項が多い商品にもラベルを複数使用する必要がありません。
(2) 商品名・価格・商品情報を感熱紙に印字し、そのまま封をすることで異物混入の不安も解消されます。
(3) テープやシール等の資材は必要ありません。
(4) 感熱紙とヒートシール加工部は簡単に手で破る(切る)事ができます。
(5) 紙帯以外の資材を使用する必要がありませんので省資源包装として環境に配慮しています。
(6) ある程度の強度があり、切れたり外れたりしにくく、温度や湿度等使用される環境に左右されにくいよう配慮しています。

開発について

感熱紙にヒートシール性能を持たせるために高温の樹脂をラミネートして一体化させる必要がありました。
しかし高温樹脂が感熱紙に接触した瞬間に発色すると本末転倒となりますので、加工時に熱に感応しない技術が求められました。
その為には感熱紙(日本製紙製)の紙質性能と日本製紙パピリアの加工技術の融合が必要で、何度もトライ&エラーを繰り返しながら開発に成功した経緯があります。
また「容器包装リサイクル法」では『紙』マークの扱いになります。

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